あまり知られてはいませんが、鍼灸では風邪の治療もしています。例えば、急な咳には「孔最(こうさい)」、熱を伴う咳には「尺沢(しゃくたく)」というツボを使い治療を行います。どちらも肺の反応が現れるツボであり、肺と関係する呼吸・咳・鼻・喉などの治療の時によく使用されるツボです。

「尺沢」は肘を曲げた時にできるシワの上、親指側にある筋肉の外側にある凹みにあり、「孔最」は尺沢から手首に向かい、指4本分下がった凹みにあるツボです。

喉の痛みを伴う咳に対しては「天突(てんとつ)」を併せて使うこともあります。中指の腹が鎖骨と鎖骨の間のくぼみにひっかけるようにして下方向に押して刺激します。押し方に注意が必要な場所です、ゆっくりと力を入れていきましょう。

     

お灸を据えたり、ない時は自分の指で圧迫してあげるのも効果的です。押すと痛い場所なので、力加減には十分にお気をつけ下さい。