「最近よく脚がつって困っています」というような相談をされることが続いています。

そもそも脚がつるとは、筋肉が縮まったままで痙攣をしている状態のことをいいます。「こむら(=ふくらはぎ)がひっくり返るくらい痛い」ことから、こむらがえりとも呼ばれていますが、原因はよくわかっていません。年齢が上がるほど頻度が増えたり、運動不足の人の急な激しい運動、疲れがたまっている時にはストレッチをしただけで脚がつることもあります。現在では、体内のマグネシウム、カリウム、カルシウムの不足や病気、妊娠などと関係して起きるという説が有力です。

東洋医学が考える脚がつる原因は「気」と「血」が一時的に不足している状態の時に起こり、言い換えると動力と栄養分が足りなくなっている状態にあるという見方がされます。

  【気→目には見えないが、体の原動力になるもの】
  【血→全身の組織や器官に栄養を与えるもの】

血は筋肉や腱に栄養を与えながら滑らかに動かす働きをしていますが、急激な運動により気・血の不足が起きると、筋肉が強ばり痙攣します。また、血は心を通じて運ばれるため、心から遠い足は血が送られるのに時間がかかります。寝ている時は流れもゆるやかになり、足に届く血がさらに少なくなるため、就寝時は足がつりやすい状態になります。漢方では、芍薬甘草湯(筋肉の緊張をゆるめて、痙攣やその痛みを抑える作用)がよく処方されています。

予防法としては、運動前後のストレッチやこまめな水分補給(ミネラル・塩分が入ったもの)、湯船につかり温める、などがよく取り入れられているものですが、それでもなかなか改善しない方は漢方を試してみては。副作用は少ないと言われている漢方ですが、薬は薬。呑む前には漢方を取り扱う医療機関での相談を忘れずに。