夏は暑さだけではなく、体力を奪われるような湿気も強いため、「だるさ」「気力の消失」「食欲低下」など、いわゆる夏バテで悩まれる方が多く見られます。夏バテが起きると、働きが悪くなりやすい臓腑の一つに、胃腸があげられます。これはクーラーや食べ物で身体が冷やされ過ぎている事が原因となります。

 

現在の胃腸の調子を知る事ができる舌診(ぜっしん)という方法があります。舌の形を調べたり、表面に付いている舌苔(ぜったい)の状態を観察するものです。いつもの自分の舌をなんとなくでも、記憶している事がポイントになります。

 

 

●舌の側面に歯型がついている

身体にエネルギーが足りていない状態(気虚)。身体の水分が停滞気味で、舌が肥大を起こしており、身体には浮腫み・疲れやすさの症状でているかもしれません。

 

●舌の表面の苔の状態

胃腸の状態を反映するもので、薄く白色をしているのが、通常の舌苔の状態。

 

①苔が黄色で厚い

消化しきれない食べ物や飲み物が胃腸に滞り、蓄積している状態(食積(しょくせき))か、胃腸で発生した水分や熱が滞って蓄積している状態(湿熱(しつねつ))が考えられます。

②苔は白色だが、厚みのある濃い白

浮腫など身体に液体の代謝の問題が起こっていることが考えられます。

 

夏バテを予防するためには、“最適な温度と湿度”の環境を保つことが重要です。それでも夏バテになることはありますが、その際に身体のメンテナンスを意識することで、症状を緩和させることが可能です。鍼灸治療は筋肉が原因となる痛みのトラブルだけではなく、環境から起きる身体の不調の治療も行っています。夏バテでお悩みの方は鍼灸治療をお試し下さい。